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あやかし夜祭 by 秋待諷月

作:秋待諷月 HP:弦月の仮宿
分量:30枚  使用お題:夜祭に紛れる、肝試し、打ち水をする、花火


「肝試し、しようぜ!」
 丸い腹をポンと突き出しながら、平吉が唐突にそんなことを言い出すものですから、一同は仲良く揃ってキョトンとしてしまいます。尤も、平吉が唐突なのはいつものことですから、挙動自体には特に驚かされたわけでもありません。反応が鈍かったのは、偏に、彼の口から飛び出した単語に耳馴染みがなかった所為でした。
「キモダメシ、って、何よ?」
「ウナギメシの親戚か」
 長い爪で髭を払って風子が胡乱気に目を眇め、真剣に尋ねる天彦が嘴の隙間からツウと涎を垂らすので、平吉はふさふさの尻尾を振り回しながら地団駄を踏みます。
「鰻飯だったら、“しよう”じゃなくて“食おう”だろうが。いいか、肝試しってのはな、人間が今の時分にやる度胸試しの一種だ。何でも連中、自分たちが怖いと思う場所にあえて行くことで、己の勇気を示すんだとよ」
「ふうん。怖い場所にわざわざ行くなんて、人間って酔狂ね」
 白い毛並みを爪で梳りながら、風子はつんと素っ気ないですが、天彦は琴線に触れるものがあったのか、背中の翼を一羽撃きさせて身を乗り出しました。
「いや、苦手に挑まんとする心意気、我は嫌いではないぞ。なあ河太郎、主もそう思わないか」
 天彦のギョロリとした金色の瞳を向けられ、同時に話を振られ、河太郎はびくりと飛び上がります。頭の皿を満たす水が、ちゃぽんと微かに跳ね揺れました。
「ぼくは、ええと、あの」
 注目が一身に集まってしまい、河太郎はしどろもどろに、ただでさえ小さな体をさらに小さくします。はーあ、と、これ見よがしに大きな溜息をついたのは平吉です。
「そんなもの、この臆病河童に分かるはずないだろ」
 平吉にバッサリと切り捨てられ、しかし言い返すことも出来ず、河太郎は両手で皿の縁をぎゅっと掴んで頭を垂れるのでした。

 河太郎は河童の子どもです。河童に大人と子どもの区別があるのかと問われれば返答に窮しますが、他の河童と比べて背丈が低く、生まれてからの歳月もさほど経っていませんので、子どもと表現して差支えないでしょう。
 平吉、風子、天彦の三匹もまた同様に、それぞれ、化狸、鎌鼬、烏天狗の子どもです。人の世が急激に変化していくにつれ、あやかしたちの数は激減し、比例して、子どものあやかしの数もめっきり少なくなりました。種族は違えど、貴重なあやかし仲間である四匹は、いつもこうして一緒に遊んでいるのです。
「それで、平吉。具体的には、一体何処へ行くつもりなのだ」
「人間が怖がる場所って言ったら、暗くて人っ気がない夜道とかよね」
 黙りこんでしまった河太郎を気遣ってか、天彦と風子が話の先を促しました。二匹が乗ってきたことで気を良くしたのか、平吉は両腕を組んでふんぞり返ります。
「そんな場所、俺たちにとってはただの快適空間だろ。俺たちが行くのは、あそこだよ」

 西の空が淡い薄紫色に染まり始め、辺りの建物や木立は次第に陰へ沈もうとしています。暑さは日中より幾分か和らいだものの、灰色の道の上には熱気を孕んだ空気がまだ残っていて、時折ゆるりと吹き抜けていく風が心地よく感じられます。カナカナと、蜩が夏を惜しむ切なげな響きが、家並みの向こうに消えていく太陽と共に、ころころと転がり落ちていくようでした。
 お世辞にも都会とは呼べない、ある田舎町のさらに町外れ。緩やかな高台に建てられた小さな神社を取り囲む、これまた小さな森の中に、四匹のあやかしの姿がありました。薄気味悪さ故か、それともこの時代、誰も用などないからか、神社には普段、ほとんど人っ気がありません。そこが四匹はとても気に入っていて、夜毎こうして集っては、他愛ないおしゃべりや遊びに興じているのです。
 ところが、年に一度の夏の夜。今年で言えば、まさに今夜だけは、あたりの様子はいつもと違ってしまうのです。
 参道を下った鳥居の向こう、神社から町の中心へと続く道の両脇には、つるつるとした布で出来た屋根を持つ、壁のない妙ちきりんな小屋がずらりと列を成しています。木立の間からは、ぼわりと丸く、赤い光がいくつも覗いています。風に乗って流れて来るのは、何かを焼いているらしい、煙たいけれど美味そうな匂い。大勢の人間たちの話し声と、賑やかな足音に混ざり、どん、どん、と、平吉の腹太鼓に似た音も聞こえてきました。
 人間たちが総じて、「祭」と呼ぶもの。平吉が鼻面を向けて示したのは、どうやら、その場所のようなのです。
「あそこへ行く、って」
 風子は呆気に取られました。天彦と河太郎も目を丸くしています。反して平吉はにやりと犬歯を剥き、一本指を立てました。
「やり方はこうだ。一匹ずつ順にあそこへ行ったら、肝試しをした証として、あそこで売ってるものをどれでも一つ、取って帰ってくる。簡単だろ?」
「何が簡単よ。人間がウヨウヨしているところに、単身で飛び込めってこと?」
「だから肝試しになるんだろ。暗い夜道なんかより、何百倍も金玉が縮みあがるぜ」
「一匹二匹の人間を驚かせるならばともかく、あそこは人間の数が多過ぎる。我も反対だ」
 平吉の計画に、風子と天彦が真っ向から意見します。河太郎もまた、天彦の大きな翼に半ば隠れながら、こくこくと繰り返し首肯しました。
 しかし。平吉が何かを唐突に言い出すことが常ならば、一度言い出したら聞かないことも、また常なのです。
「怖いなら、無理に参加することないぜ。あやかしのくせに肝試しが怖いって、他の連中に言いふらされても良いならな」
 平吉の露骨な挑発に、風子と天彦はむっと眉を吊り上げました。こうなってしまえばもう、平吉の思う壺。
「そこまで言われては、引き下がるわけにはいかぬな」
「ええ、やってやろうじゃないの」
 ぐいと進み出る二匹に、平吉は「そう来なくちゃあ」としたり顔で、舌舐めずりをして立ち並ぶ小屋を眺め渡します。
「そうと決まれば、とっとと始めようぜ。一番手は俺だ。お前らに手本を見せてやるよ」
「ちょっと、勝手に決めないでよね。じゃあ、あたしはその次」
「風子、主も勝手に決めているぞ。では我は三番だ」
 三匹が三匹ともに勝手なものですから、河太郎が一言すら発する機会もないまま、話はどんどん進んでいきます。ふと気が付いて、天彦が平吉の耳をちょいと引っ張りました。
「ところで平吉、店の品を取ってくると言ったな。金はどうするのだ」
「おいおい、どれだけ真面目なんだよ。いっぱしのあやかしのくせに」
「我ら烏天狗は誇り高い故に、盗人の真似事などしない。主ら狸が得意な、木の葉の紙幣も論外だぞ」
「分かった、分かったよ。これで良いんだろ」
 天彦に諭され、平吉は嘆息混じりに、だぶだぶの毛皮を両手で摘み上げて揺さぶりました。すると次々に転がり出てきたのは、ぴかぴか光る丸く平たい金属です。平吉はその中から、一番大きな銀色のものばかり四枚選び出して、三匹の手に一枚ずつ渡しました。どうやらそれは、平吉が賽銭箱からちょろまかしては貯めている、人間の金のようです。
「今夜は特別だ、俺様が奢ってやる。ありがたく思いやがれ」
「あら、今日は太っ腹じゃない」
 途端に機嫌を良くした風子に、「いつも太っ腹だ」と、平吉は自慢の腹を叩きます。これも泥棒であることに変わりないのですが、天彦はそれで得心したらしく、金を矯めつ眇めつ、鳥目を輝かせています。平吉は満足げに頷き、「よし」と一声、仕切り直しました。
「今度こそ文句ないだろうな。それじゃあ、始めるぞ」
 平吉は足元に落ちていた一枚の葉を拾い上げ、頭の上にちょこんと乗せました。途端、ぽん、と可愛らしい音が響いて白い煙が舞い上がったかと思うと、次の瞬間にはもう、平吉は人間に姿を変えていました。つるりとした日に焼けた顔も、腕や足が剥き出しになった無防備な衣服も、日中にそこらを走り回っている人間の子どもそのものです。他の三匹が「おお」と拍手を贈れば、にやりと歯を剥く表情に、平吉の面影がありました。
「俺にかかればこんなもんよ。ちょちょいと行ってくるぜ」
 尖った鼻を高くして、平吉は三匹にくるりと背を向けると、慣れた足取りで斜面を降りて行きます。
 そんな平吉の尻のあたりから、ふさふさの大きな尻尾が生えているのを目の当たりにして、残された三匹は顔を見合わせるのでした。

「平吉、主。そんな化け方で、よくぞ見破られずに戻って来られたな」
「ああん? 完璧な変化だったじゃねぇか」
 術を解いて狸の姿に戻り、烏賊の丸焼きをむちゃむちゃと噛み千切る平吉に、左隣に陣取る天彦は「そうか」とだけ返して、それ以上は何も言えなくなりました。さらに左横にちょこんと座った河太郎は、緊張疲れで早くもぐたりとしています。
 結果から言えば、平吉は上手くやってのけました。臆することなく祭に紛れこんだ化狸は、人間たちが行き交う中を堂々と闊歩し、大きな焼き烏賊を手に入れて、悠然と森に帰って来ました。
 ただし、人間に全く疑われなかったかと問われれば、そうでもなかったようなのです。こっそり偵察に行った風子によれば、平吉とすれ違う人間たちは皆、ふさふさの尻尾を見てぎょっと振り返っていたというのですから。けれど人間たちは、尻尾と平吉を見比べて微笑すると、それ以上気に留めるもことなかったそうです。
 どうやら「祭」とやらには、人間の警戒心を和らげてしまう何かがあるようなのでした。
「気楽で羨ましいものだ。こちらは今に主が捕えられて狸鍋にされるのではと、ひやひやさせられたぞ」
「何だよ、言いたいことがあるならはっきり言いやがれ」
 逞しい腕で嘴を支え、カァ、と嘆息する天彦に、平吉は口から烏賊の足をはみ出させながら不満顔です。そこに、朝焼けの空に浮かぶ雲のような、薄桃色のふわふわしたものを手にした風子が戻って来ました。
「ただいま。天彦、次はあんたの番ね」
「うむ、そのようだな」
 両翼を揺らしながら立ち上がった天彦と入れ替わり、平吉と河太郎の間に腰を落ち着けた風子に、平吉は疑わしげな眼差しを向けました。
「おう風子。随分と早かった、というか、早過ぎやしねぇか。一体どんな手を使ったんだ」
 河太郎もまた興味津津で、固唾を飲んで返答を待ちますが、風子は甘い匂いがする雲もどきを鼻先で突きながら。
「ちょっと風を起こして、そこらの提灯をちょっと落として、人間たちが気を取られている隙に貰って来ただけよ。お金は店先の箱に入れてきたわ」
 全く悪びれもせず、そんな報告をするものですから、平吉と河太郎は絶句しました。夜店の方角へ目を凝らせば、少々赤過ぎるくらいの明かりが地表でいくつも灯り、周囲で人間たちが慌ただしく動き回っています。十中八九、おきゃんな鎌鼬に落とされた提灯の始末に追われているのでしょう。ずりり、と尻を後退させて風子と距離を取り、平吉は呆れを通り越しての怯え顔です。
「お前時々、俺よりよっぽど無茶するよな」
「仕方ないでしょ。私はあんたみたいな化け術は使えないんだから」
「それにしたって、他にもっとやりようが」
「今、戻ったぞ」
 平吉と風子の間の刺々しい空気を読んでか読まずか、出し抜けに姿を現したのは天彦です。あまりに出し抜け過ぎて、他の三匹はその場で体一つ分も飛び上がりました。金と銀のきらきらがたくさんついた大きな玉を指でつまみ、目を輝かせる天彦に、平吉は驚かされた怒りからか声を荒らげます。
「お前も早過ぎるだろ。今度はいくつ提灯を落としてきたんだ」
 露骨な嫌味に、風子が尾でぴしゃりと平吉の後頭部を打ちますが、天彦はきょとんと小首を傾げました。
「何の話だ。我はただ、これを着て、金と品を交換してきただけだぞ」
 掲げて見せたのは、藁を編んで作られた、ボサボサの外套らしきもの。天彦がばさりと羽織ってみると、彼の体は藁の外套ごと、スウと透明になってしまいます。天彦の代わりに向こうの景色が丸見えになって、他の三匹はあんぐりと口を開きました。
「天狗の隠れ蓑!」
 平吉と風子が揃って頓狂な声を上げます。蓑を脱いで顕現した天彦に、平吉が激昂して食ってかかりました。
「おい、いくらなんでも、そいつを使うのは反則だろ」
「そうよ天彦、それは狡いんじゃないの」
 風子も憤然として糾弾に加わりますが、天彦は飄々としたもので、詰め寄ってくる二匹を翼で往なします。
「仕方がないだろう。我は平吉のような変化も出来なければ、風子のように風を起こすことも出来ないのだから」
 えへんと胸を張る天彦に、平吉と風子は渋面を作って黙りこんでしまいました。この隙に乗じ、天彦は河太郎へと視線を向けます。
「さて、河太郎。次は主の番だ」
 己の倍近くも背丈がある天彦に見下ろされ、河太郎は身を仰け反らせました。平吉と風子の興味もこちらへ移り、再び一身に集まって来た視線に、河太郎は川があったら入りたい衝動に駆られます。
「でも、その、ぼく」
「良いからさっさと行って来いよ、臆病河童」
 平吉に苛々と凄まれては、それ以上何も言えません。眼下へ恐る恐る目を遣れば、赤い灯りが宵闇にじわりと滲み出して見えて、河太郎は背中の甲羅が冷たくなったような心持になるのでした。

 とうの昔に夜が訪れたというのに、地表にはまだ、小さな昼が留まっているかのようです。森から眺めていた時には赤い光ばかりが目立ちましたが、こうして間近へ来て見れば、白や金の光も輝いて、からからに乾いた歩道を照らし出していました。
 道の両脇に並ぶ小屋はどれも、大きな横幕を店先に垂れ下げていて、派手やかな赤や黄や橙の縞模様が、ずっと向こうまで続いています。外観は似たり寄ったりでも、扱う品は店によって異なるようで、串に刺さった肉や野菜や果物や、多種多様な入れ物に注がれた酒や色水や、得体のしれない奇怪な物が、あちらこちらで店先を賑わわせていました。
 熱気を纏って宙に漂う靄のような煙。つんと鼻をつく酒の匂いや、肉や野菜や醤油が焼ける芳ばしさの中に、時折ふわりと、飴や果物の甘い香りが混ざります。
 匂いだけでも嗅ぎ分けられないほどだというのに、それ以上に驚かされるのは音の多さです。じゅうじゅう、しゃりしょり、ちゃぱちゃぱ、からからから、ぽぉんぽぉん、ぶうううん。絶え間なく響く不可思議な音の嵐に混ざり、人間たちの呼び込みや笑い声や足音や、遠い太鼓の音までが聞こえてくるものですから、もう何が何だか分かりません。
 店と店の隙間に入り込み、ぽかんとしてこの光景を眺めていた河太郎は、そこでようやく、はっと我に返りました。ぶんぶんと頭を振ると、変化の術など使えない河太郎の為に天彦が貸してくれた、天狗の隠れ蓑をすっぽりと被ります。蓑は河太郎の視界から消え去りましたが、ちくちくした肌触りと、肩に圧し掛かる重みはなくなりませんでした。
 河太郎は今、誰の目にも見えないはずです。ごくり、生唾を飲み込み、震える足をペタペタと踏み出しました。
 見回せば、人間、人間、人間の波です。老いも若きも、雄も雌も、買い込んだ品を抱え、西から東、東から西と、流れを作ってどんどん歩いていきます。一体この小さな町の、どこにこれだけの人間がいたのだろうかと、河太郎は圧倒されてしまいました。
「次、射的行こうぜ!」
 歓声を上げなから駆けてきた人間の子どもと衝突しそうになり、河太郎は咄嗟に身を退かせました。しかし胸を撫で下ろしたのも束の間、逆方向から歩いてきた雌人間の足にぶつかってしまいます。人間は「痛っ」と小さく悲鳴を上げますが、足元を見て首を傾げました。
「どうした?」
「おかしいな、何かにぶつかったと思ったんだけど」
 人間たちの会話を背中に聞きながら、河太郎は一目散、大きな茶色い紙の箱が山と積まれた陰へと飛び込みます。ばくばくと早鐘を打つ心臓が、油断禁物だと警告しているようでした。嘴をぎゅっと固く閉じ、河太郎は表情を引き締めます。蓑の位置を調整し、ふー、と長く息を吐くと、再び人混みの中へと飛び込みました。
 雑踏はまるで激流のようです。けれど泳ぐのは得意です。前後左右に注意を払い、誰にもぶつからない道筋を見極め、流れに逆らわないよう慎重に足を進めます。
 立ち並ぶ店のどこかで、河太郎は何かを買わなければなりません。しかし、そもそも、買いもの以前の問題が一つ。
 河太郎は左右の店を見比べます。人混みの向こうの店に目を凝らします。通り過ぎてしまった店を振り返ります。
 つやつやに光る真っ赤な林檎の飴。大きな箱に溜めた水に浮かぶ色とりどりの玉。芳ばしく焦げた金色の玉蜀黍。縦横にずらりと展示された奇怪な顔のお面。赤や青の色水がじわりと滲む、ふわふわの雪のような氷。紐で繋がれてなお、夜空を目指して我先に飛んで行こうとする、丸く膨れた袋。そのどれもが河太郎は気になって、出来るならば全てが欲しくって、どれか一つを選ぶことなど出来そうにないのです。
 人間たちの間をすり抜けながら、あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。天彦の蓑は河太郎には大き過ぎて、重い蓑をずるずると引き摺って歩かなければなりません。頭から被った蓑の中は蒸し暑く、緑色の肌をだらだらと汗が伝います。
 暑さと疲れで、河太郎は頭がくらくらしてきました。だんだん足元がおぼつかなくなり、視界がぐにゃぐにゃと歪み始めます。
 無意識に、頭の皿に手をやりました。たっぷり水を溜めておいたはずの皿は、いつの間にかすっかり乾ききっていました。
「(まずい)」
 思った途端、引き摺っていた蓑の裾を、擦れ違いの人間に踏みつけられてしまいます。前につんのめった河太郎は崩れるように倒れ込み、そのまま気を失いました。

 ぱしゃり、という水音で、河太郎は意識を取り戻します。
 背中の下で甲羅が不安定に揺れるので、仰向けに寝ているのだと分かりました。するりと掠めていく夜風が、汗だくの体を冷やします。
 ぱしゃり。再び微かな音がして、頭に水飛沫がかかりました。ぼんやりとしたまま重い瞼を持ち上げると、目に飛び込んできたのは、一人の人間の顔でした。
「お、気が付いたか」
 河太郎の左横にしゃがみ込み、左手で団扇を扇ぎながら、人間はのんびりと言いました。大きな体をした、やや年嵩の雄のようで、頭と首に白い手ぬぐいを巻いています。傍らには金属製の手桶が置いてあり、人間はそこから右手で冷たい水を掬っては、まるで打ち水をするように、河太郎の頭にかけ続けているようなのでした。
 ぱしゃり。こつり。水と一緒に、細かな氷の欠片が皿にぶつかって、河太郎は反射的に頭へ手を伸ばします。指先に触れたのは、まくら代わりに河太郎の頭を乗せていた、天狗の隠れ蓑のちくちくした感触でした。
 血の気が一気に引きました。
「にんげ、ぼ、見えっ!」
 がばり、と身を起こし、河太郎はその場から逃げ出そうとしましたが、腰が抜けてしまったのか、立ち上がることすらままなりません。人間はそんな河太郎を眺めながら右手を振って水滴を切り、膝を机代わりに頬杖をつくと、にんまりと笑いました。
「それだけ動けるなら大丈夫だ。河童は皿の水がなくなると力が出ないってのは、本当だったんだな」
 からかうような声の響きに、河太郎は肩の力が抜けていくのを感じます。ぽかんとしているうちに、段々と気持ちが落ち着いてきました。ぐるりと頭を巡らせれば、この場所はどうやら、店の一つの幕内のようです。きちんと畳まれた蓑に視線を落とし、皿が濡れているのを確かめると、河太郎は改めて、傍らの人間の顔をまじまじと見つめました。恐る恐る尋ねます。
「助けてくれたの?」
 人間は「よっこいせ」と呟きながら腰を上げて、三本脚の丸椅子を引き寄せて座ると、からからと笑いました。
「そんなものを被って、フラフラになってまで、わざわざうちの店に来てくれたからな」
 河太郎はそこで初めて、店先に並んだ机の上に、氷水で満たされた大きなタライが置いてあることに気が付きました。中には、木の棒が刺さったきゅうりが、緑色も濃く鮮やかに、ぎっしりと詰められています。きんきんに冷えたイボだらけのきゅうりは見るからに美味そうで、河太郎はごくりと唾を飲みこみますが、同時に目に留まったのは、透き通った氷水の涼しげな煌めきでした。
「あ、あの」
 こわごわと、河太郎は話しかけます。小首を傾げて河太郎の次の言葉を待つ人間に、河太郎は右手を差し出し、握っていた拳を開きます。
「かけてくれた水のお金、これで足りますか」
 水かきのある小さな掌の上には、一枚の貨幣が乗っていました。
 人間は意外そうに目を見張って、銀色の大きな貨幣と、河太郎の決然とした表情を交互に眺めると、苦笑しつつ首を横に振ります。
「お代なんて取らないよ。ここで売ってるのは、水じゃなくてきゅうりだ」
「だったら、このお金で買えるだけ、きゅうりを売ってください!」
 勢い込み過ぎて声が大きくなってしまい、河太郎は慌てて前のめりになった姿勢を戻しました。目を瞬かせている人間の顔色を窺い、しどろもどろに続けます。
「これで買えますか? ……ぼくでも買えますか?」
 ぶるぶると震える河太郎の手と、緊張で引きつる河太郎の顔を、人間はじっと見つめていましたが、やがて河太郎から金を受け取って徐に立ち上がりました。
 机の下からつるつるの透明な袋を一枚取り出し、特に大きなきゅうりを選んでは次々袋に入れると、河太郎の前にしゃがみこみます。
「毎度あり」
 差し出された袋には、きゅうりが四本も入っていました。ぽかんとしながら、河太郎が渡されるままに袋を受け取れば、ずっしりとした重みで腕が下がるほどです。
「こんなに?」
 人間は河太郎の疑問には答えず、ただ優しく笑いました。隠れ蓑を引き寄せ、河太郎にすっぽりと被せると、彼は河太郎の甲羅を蓑の上からぽんと叩きます。店の前へよろけ出た河太郎が慌てて振り返ると、人間は片手をひょいと上げて見せました。
「来年も来てくれよ。勇気ある河童くん」
 目を丸くした河太郎の横から、人間の群れがぞろぞろと押し寄せて来て、河太郎はぶつからないように後ろへ飛び退ります。道を戻ろうとしても、次々とやってくる人間たちの波に呑まれ流されるうちに、いつしか、河太郎は鳥居の前へと戻ってきていました。
 結露した袋の口をぎゅっと握りしめて、河太郎は参道の真ん中で立ちすくみます。
 ほんの数歩向こうに広がる祭の景色は、まるでもう、遠い別の世界のようでした。

「遅ぇ」
 倒れた石灯籠にどっかと腰を下ろし、短い脚で地面をぱたぱたと叩きながら、平吉が苛立たしげに呟きました。天彦もそわそわと落ち着きなく、辺りを歩き回っています。
「あいつ、一体どこで油を売ってやがるんだ」
 河太郎が肝試しに出発してから、どれほどの時間が経ったでしょうか。待てど暮らせど、森の向こうにしつこく目を凝らせど、小さな河童の姿は一向に認められないのです。
 がさり、という音に平吉と天彦が反射的に首を回せば、草の間から浮かない顔を覗かせた風子が、申し訳なさそうに肩をすくめます。
「こっそり祭を覗いてみたけど、どこにも見当たらないわ。尤も、隠れ蓑を着ていたら見つかりようがないけど」
「姿は見えずとも、匂いで探せないのか」
「無理よ、そこら中に色んな匂いが溢れてるんだもの」
 首を横に振る風子に、天彦は「そうか」と力なく項垂れて、焦れったそうに言いました。
「品が買えなかったなら買えなかったで、すぐに戻ってこれば良いものを」
「臆病者だとかって、平吉が意地悪ばかり言うから、手ぶらじゃ帰れなくなっちゃったんじゃないの」
 ぎろりと風子に睨まれて、平吉はばつが悪そうに顔をしかめました。しかしやがて、口の端を曲げてぽつりと言うのです。
「うまくやってこられれば、あいつも自分に自信がつくだろうと、そう思ったんだ」
 風子と天彦は顔を見合わせ、また平吉へと視線を戻しました。横柄な化狸は、むっつりと、祭の方角をじっと睨みつけています。他の二匹は反応に窮し、平吉を挟んだ左右に腰掛けました。三匹揃って再び目を凝らそうとした、その時。
 平吉の首筋に、冷やりとしたものが触れました。
「うひゃあっ!」
 全身の毛を逆立てて飛び上がった平吉の悲鳴に、左右の二匹も仰天して尻を浮かせます。心臓をばくばくさせながら、三匹が背後を振り返れば、そこには、蓑を脱いで姿を現した河太郎が立っていました。
「驚いた?」
 はにかむ河太郎の手には、きゅうりが詰め込まれた袋が握られていました。
 三匹は暫くの間、身を固くしたまま呆然としていましたが、やがてその顔は、見る間に弛緩したかと思うと、ふにゃりと情けなく歪んでしまいました。
「遅いんだよ、この愚図! どこほっつき歩いてやがった」
「もう、心配させないでよ」
 平吉と風子に怒鳴られながら抱きつかれて、河太郎は「ぐえっ」と雨蛙のような声を上げました。三匹の様子にうんうんと微笑ましく頷きながら、天彦は河太郎の戦利品に、「ほう」と感嘆を漏らします。
「美味そうなきゅうりだな、河太郎」
「ん? きゅうりは一本、百五十円だろ。どうして四本も買えるんだよ」
 平吉が素早く算用して首を傾げると、その発言を聞きつけた風子も首を傾げました。
「なんできゅうりの値段なんて覚えてるのよ」
「四百円の烏賊の釣銭できゅうりを買おうとしたら、五十円足りなかったんだよ」
「平吉、主、きゅうりに興味などあったのか」
「そ、それは。臆病河童が何も買えなかったら、流石にどうかと思って、その」
 最後の方はごにょごにょと尻すぼみになりながら、視線を彷徨わせる平吉に、風子と天彦はこっそりと笑いを噛み殺します。河太郎もまた、三匹の顔を順に眺めて、照れ臭そうに顔を綻ばせました。
 森を抜けた向こう側には、まだ赤い光が賑やかに灯っています。
 上空では大輪の炎の花が咲き誇って、河太郎の皿に溜まった水の表面に、色とりどりの光を散らしていました。
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Comments for this article...

拝読いたしました

 秋待さん、こんにちは。
 作品拝読させていただきました。

 とってもかわいらしい、あやかし達の肝試しでした。
 みんな個性的で、楽しく読み進められました。

 天彦は、葉っぱのお金はダメなのに、賽銭箱から盗ってきたお金はいいのか、と、ちょっと笑ってしまいました。お堅いイメージでしたが、何気に隠れ蓑を使うちゃっかりさんですし。あやかしの基準は人間には判らないものですよね。

 河太郎の視点で語られるお祭りの風景がとても素敵で、夏祭りに行きたくなりました。
 お皿の水が乾いてしまった河太郎は、親切な人間と出会えてよかったです。
 風子はツンデレっぽいのかなと思っていましたが、まさか平吉がその上を行くツンデレだとは思いませんでした。

 仲の良いあやかしの子達が、これからも仲良く過ごせますように。
 あ、でも人間としては立派なあやかしになられては、ちょっと困りものですよね。

拝読しました。

肝試しをするのが人間でなくあやかしという逆転の発想が面白ですね。
尻尾隠し忘れているとか無茶ぶり特攻少女とか頭脳派透明人間とか、あやかし各々の個性が光っていて、とても可愛らしいです。
臆病な河童くんは優しい人に助けられたな~ ここに居る人間達みんな優しい。読んでいて心がぽかぽかしてきます。
お祭りの楽しい雰囲気と屋台に出てくる食べモノが本当に美味しく見えて、お腹鳴りそう。
4匹の友情がとても初々しいお話でした。

拝読いたしました

秋待さん、こんにちは。

妖怪の子どもも、人間の子どもも変わらない様子の集会、度胸試し、といった流れが微笑ましいですねw
河太郎に優しくしてくれたきゅうり売りさんにほっこりとしました。
きゅうりを多く持ち帰った河太郎の、少し自信の付いた様子も可愛らしくて良いですね。

読ませていただきました

こんにちは。紅月赤哉です。

妖怪たちの肝試し。子供らしい肝の試し方になんというか最初から最後まで頬が緩みっぱなしでした。
皆、河太郎には少し厳しいようですがそれでも優しく見守っているというのが伝わってきて。特に最後の平吉は反則でした。

河太郎も少しだけ自信がついたでしょうし良かったです。

心温まるひと夏の肝試しをありがとうございました。

拝読いたしました

個性的な可愛いあやかしさん達の肝試し♪
あやかしの肝試しは、人間の処へ行く事なのですね! 人は、あやかしが出そうな所へ行く。互いが怖いって、少し笑えますねv

この子達、これからも仲良く、大きくなっていってもらいたいですね。


拝読いたしました!

妖怪の子供達の肝試し!楽しく読ませていただきました!
河太郎可愛いですね!河太郎の肝試しはドキドキしながら読んでいましたが、無事でよかったです。
ラストもほんわかしました!

「あやかし夜祭」拝読しました。

はじめまして。「あやかし夜祭」拝読しました。

可愛い…! こんなほのぼの妖怪ならむしろ家にも来ていただきたいです!
人間との交流があるのもいいですね。ちゃんとお買いものさせてくれる人間さん、いい人だなあ。
あやかしの子供たちの個性が随所に滲み出ていて、読んでいて自然と顔がにやけてくるようなお話でした。帰ってきた河太郎の成長ぶりと、それを迎える仲間たちの優しさもいいなあ。特に平吉がいい奴すぎてにやにやしてしまいました。

個人的には天彦くんの子供なのに硬い喋り方が好きです。
作中に「~子どものあやかしの数もめっきり少なくなりました。」とあるので子供達にはそれぞれあやかしのお父さんお母さんがいらっしゃるんでしょうね。どんなご家庭なのか、ちょっと見てみたいです。

拝読いたしました。

妖怪の子ども達が可愛らしかったです。子ども達に読み聞かせたら喜びそうなお話ですね。それぞれの個性が出て楽しく、きっと河太郎のドキドキぶりに共感するでしょう。欲を言えばキュウリ屋の人間の描写が欲しかったなと思います。それまで河太郎の目には怖いだけでノッペラボウのような存在だった人間が、親しく身近に思えるような人物でしょうね。
どことなく、手袋を買いに子ギツネのお話を思い出しました。
映像的にもとても楽しめました。

拝読しました。

「夏祭り」というこの企画に、とてもふさわしい一品でした。
化狸の平吉、しっぽのある子供をみた人間たちは、子供がふざけてなにかつけていると思ったのか、夏の祭りくらい狸も出るだろうと思ったのか。
鎌鼬の風子は、けっこうハタ迷惑な方法でした。それを他の妖怪たちが良しとせず、それぞれに反応しているのが、ほほえましい感じがしました。
烏天狗の天彦は、カラスの性質もあるんでしょうか。キラキラしたものが好きなのですね。
それから主人公の河童の河太郎。一番冒険した感じがします。良い人間と出会えて、きゅうり屋の翁にしてみれば、売り物と縁のある妖怪だけに、放っておけなかったのかもしれませんね。
可愛くて、読後感のいいお話でした。

拝読いたしました。

秋待さん、はじめまして!
なんともかわいらしいお話、ありがとうございました。

ですます調の文体にほのぼのとしたストーリー。
あやかしの子供四人の様子がとってもかわいらしくて、読んでいて思わずほっこり笑顔になりました。
それぞれの特徴がきっちりと描かれていて、立ち位置もしっかりしてるしお互い思いやっているのもすっごく伝わるし、いい四人組だなぁ。
そして、河太郎が出会ったオジサンがもうほんっとうにいい人で。思わず泣いちゃいましたよ。(涙腺ゆるゆる)優しいなぁ。うれしいなぁ。こういう人間がいるっていう世界がすっごく嬉しいなぁ。
キュウリもオマケしてくれたし。
来年もまた出会えるといいねぇ。そしていつかはあやかしも一緒にお祭りを楽しめたらいいのに(ってそれは怖いか)

このお話、是非絵本で読んでみたい。最後もきちんと「めでたしめでたし」だし、うちの子に読み聞かせしたい。

それにしても、平吉の暗い夜道を「快適空間」という言葉に置き換えたのはウケました。その言い方うまいな!(笑)

拝読しました。

秋待さん、こんにちは。
作品読ませて頂きました。

賑やかな夜祭りの風景と、そこに四者四様の姿で、「肝試し」に訪れる妖怪の子供たち。
神社の快適な暗がりで、四匹が相談を始めるところから、読み手であるこちらまで、どきどきわくわくはらはらとするような絵が次々と浮かんでくる、ほっこり可愛いお話でした。
キャラの立った四匹の、関係性がまたいいです。そしてまた、お祭り中の人間たちもいい人。
きゅうり屋台のおじさんはもちろんですが、平吉のしっぽを本人と見比べて微笑した人たちも。
それだけこの小さな森のあやかしたちは、ひどい悪さをするわけでもなく、ひっそりと、不思議な隣人として暮らしてきたのかな? とも思います。
四匹の中で、一番ちゃんとした肝試しができたのは、結局河太郎でしたね。
来年も四匹が仲良くそろって、肝試しができますように。

感想ありがとうございました!

 拙い作品ではありましたが、読んでくださった皆様、さらには感想までくださった皆様、本当にありがとうございました!
 以下、手短で恐縮ですが、個別にコメントさせていただきます。

>御剣ひかる 様
 夏祭りの風景には力を入れたので、「行きたい」と思っていただけたなら大成功です!
 平吉のツンデレぶりについては、私も執筆しながら、「これは平吉萌え小説か?」と思っておりました(笑)
 これからも四匹仲良く、かつ、人間とも仲良く過ごせると良いですね。

>和 様
 ご感想の「無茶ぶり特攻少女」に笑ってしまいましたw
 心がぽかぽか。ありがたく、かつ素敵な感想ですね。和様の心を、お名前どおりに和ませることが出来たなら幸いです^^

>げこ 様
 人間の子どものやり取りは、当人たちは大まじめだとしても、はたから見ている大人は微笑ましくなってしまいますよね。
 げこ様の感想を受けて、あやかしの子どもたちも人間と同じだと考えたら、何だかあやかしがグッと身近な存在に感じられました。

>紅月赤哉 様
 平吉への反則判定ありがとうございます(笑)
 夏と言うのに涼しくなれない肝試しでしたが、心を温めていただけたようで何よりですv

>猫 様
 「あやかしが肝試しをするなら、どこへ行くだろう?」という思いつきから生まれたお話なので、そこに着目していただけて嬉しいです。
 実は最初は、「あやかしたちが真昼間のオフィス街で肝試しをする」お話を考えていました(笑)

>葉月 様
 河太郎へのラブコールをありがとうございましたv
 彼のドキドキびくびく感が少しでも伝わったようで良かったです!

>森崎緩 様
 あやかしたちのみならず、人間にまで注目して読んでくださり、ありがたい限りです。
 推敲段階では、河太郎のお父さんとお母さんについてのエピソードも入っていたのですが、枚数制限により泣く泣くカットされました;
 あやかしたちが家族ぐるみのお付き合いなどしていたらと思うと、ちょっと気になりますよね(笑)

>ヒラK 様
 「手袋を買いに」、まさにその通りで、平吉の木の葉のお金云々はそこから連想して書いたものです。
 キュウリ屋さんの描写は、確かに少なかったかもしれませんね。私の中では、ややマッチョな50代くらいの男性のイメージです(笑)
 あやかしにとって「ノッペラボウのような存在」という表現がうまくて、作者ながらすごく納得させられました。

>麻生新奈 様
 四匹それぞれの個性にスポットを当ててのコメント、ありがとうございます!
 平吉のしっぽについては、ご推察いただいた両方の理由で、人間たちは大して気にしなかったのだと思っています。
 そんな風に、人間とあやかしが心地よい距離感で共存できる世界って、魅力的ですよね。

>真冬 様
 Σ涙腺ゆるゆる! 読者様を泣かせる意図は全くなかったので、想定外の感想に驚くやら喜ぶやらです。
 絵本で読んでみたい、読み聞かせしたい、というお言葉も、すごくすごく嬉しいです。お子様をお持ちの親御さんにそう感じて頂けたなら、この作品は大成功だなぁと。
 ……誰かこの話、絵本にしてくだs(略)
 「快適空間」は何の気なしに平吉の口から出てきた表現でしたが、こちらも思わぬ反応をいただけて良かったですw

>桐央琴巳 様
 この土地での、あやかしたちと人間の関係というところまで読みこんでくださってありがとうございます。
 来年も、そのまたずっと先まで、四匹が楽しく肝を試せたら良いですね。


 またの機会がありましたら、皆さまとこうして交流出来たら、大変嬉しく思います。夏も過ぎ去って、日に日に寒くなって参りましたので、皆さまお身体に気をつけながら、これからも素敵な作品を執筆してくださいね。
 改めて、「あやかし夜祭」を読んでいただき、心よりありがとうございました!

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