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蛇玉 by 真冬

作:真冬 HP:君のそばで会おう
分量:23枚  使用お題:花火、お盆、川遊び  


 仕事帰りの電車の中、ぼんやりと窓の外を見ていた私は突然目の前に現れた色鮮やかな花火に思わず息をのんだ。
 満員電車の中、隣のカップルが小さく歓声をあげる。
 そういえばここ最近、駅のポスターで花火大会の告知がされていたが、それは今日のことだったのか。
 車窓の端に消えていく大小さまざまな色や形をした花火を眺めながら、私は幼いころを思い出していた。




 私の両親は共に近畿地方の外れにある小さな田舎町の出身だった。
 母の言葉を借りるなら、入社後最初に配属された部署での歓迎会で隣に座る先輩が同郷だと知り一気に親近感が湧き、気が付けば付き合いが始まりとんとん拍子に結婚した、とのことだ。
 結果、私が幼いころは年に二回、盆と正月には父母の生まれ故郷であるその田舎町に長期滞在するのが慣例となっていた。
 大人になった今考えると、空気がいいだけの場所に年に二回も行くことに特に魅力は感じないのだが、当時の私は父の実家、いわゆる「田舎のおじいちゃん家」へ行くのをとても楽しみにしていた。
 その祖父の家に行くと、決まって叔母夫婦の子供であるいとこ達が遊びに来ていたからだ。
「なぁなぁ、この後みんなでこんぴらさんの裏の河原で花火せぇへん?」
 昼食後、大人たちが後片付けに動いている中いとこの華絵ちゃんが私と私の弟にそう声をかけてきた。
 華絵ちゃんは私が当時一番仲良くしていたいとこで、確か私と同い年だったはずだ。
「花火? こんな時間から?」
「せや。ヘビ玉っちゅーてな、明るい時にやってもおもろい花火を友達にわけてもろてん」
 驚いた私の背後から、この地方独特のイントネーションで話す声が聞こえてきた。
 振り向くとそこには華絵ちゃんの兄である俊くんが大きなビニール袋を手に笑っていた。
「ヘビ玉?」
「おお。なんや、ヘビみたいににゅーって伸びておもろいらしいで。みんなで行こ」
「へぇ。楽しそう!」
 私の住む地域では聞くことのない少し変わったイントネーションで話すこのいとこたちは、私や弟よりたくさんの遊び方を知っていていつも私たちを楽しませてくれていた。
 だから、もちろん私はこの時も私は喜んで首を縦に振ろうとしていた……が。
「お姉ちゃん。河原はダメだってお母さんが言ってたよ?」
 私の二つ下でいつも冷静でノリの悪い弟が、行きたいという私の言葉を遮るようによく通る高い声で否定的な言葉を口にする。
「この時期に川に行っちゃダメだって昨日いわれてたじゃん。忘れちゃったの?」
 自分の姉をバカにするようにそういって、冷めた目でいとこ達を見る。
「おにいちゃんたちもおばさんに聞いてみなよ。きっと同じようにいわれるから」
「あほやなぁ」
 そんな弟の言い方を面白そうに見ながら、俊くんがにやっと笑って言葉をつづける。
「川ちゃうで、河原や。河原で花火。別に川に入って遊ぶわけちゃうねんから大丈夫や」
「そうそう。まだ昼間やし少しだけやん。全然大丈夫やって」
 華絵ちゃんまでそういいながら笑っている。
 人を見下した感じで話すノリの悪いこの弟に対しても分け隔てなく接してくれるいとこ達が、私は本当に好きだった。
 だから、この時もどうしても二人と遊びたかった私は思いっきり弟をにらみつける。
「じゃぁここに残れば。お姉ちゃんは華絵ちゃんたちと一緒に遊んでくるから」
 私が強気でそういうと、弟は途端に下を向いて口をとがらす。
 これは弟がすねた時のポーズだ。
 なんだかんだ言いながら私に逆らえない弟は、私が突き放したら必ずこういう顔をする。
「まぁまぁそういわずに。姉弟仲良う来たらええやんか。せっかくの花火やねんから」
 イライラとけんか腰になる私とふてくされた弟の間に、花火の入った袋を掲げた俊くんがにこやかに入ってくる。
 その俊くんの笑顔に思わず笑ってしまった私を見て、華絵ちゃんが弟の背中を押しながら玄関に向かう。
「ほんならみんなでいこ」
 華絵ちゃんの柔らかい笑顔と俊くんの強引さに押されるように、私と弟はじりじりと太陽が照り付ける外へと足を進めた。

  


 「こんぴらさん」といえば香川県の「金刀比羅宮」が有名だが、祖父の家の近くにも地元の人に「こんぴらさん」という愛称で親しまれている神社があった。
 未だに正式名称を知らないその神社は祖父の家から子供の足で五分ほどのところにあり、その境内の奥を抜けると小さな川が流れている。
 流れも穏やかで川遊びにはぴったりな小川だったように記憶しているが、昔からこの川に入って遊んだことはなかった。
 河原で花火をするのもこの時が初めてだったように思う。
 祖父の家で花火をするときは祖父の家の庭で大人たちがバケツを用意して楽しんでいたし、たまに近隣の花火大会と私たちの帰省がかぶると家族で花火大会を観に行ったりもしていたので、わざわざ河原にまで出てくる習慣がなかったのかもしれない。
 いや、思い返してみたら河原へはできるだけ近づかないようにしていたような気がする。
 大人たちと境内に入った時はこの奥の川へ近づくことはなかったし、この時期には必ず毎年母が「川に近づくな」と私たちに繰り返し話していたので、無意識のうちに私たちはこの川を含め水辺には近づかないようにしていたのかもしれない。
 だが、この時は「この地域をよく知るいとこ達」が「珍しい花火」を見せてくれるということで「川に近づいても大丈夫だろう」という油断が生まれたのだろう。
 まして、俊くんの言葉を借りるなら「川」ではなく「河原」というのもなんとなく大丈夫な気がするのだ。
「ここらへんでええかな」
 先頭を歩いていた俊くんが小さくそうつぶやくと、私たちを振り返ってにかっと笑う。
「ほな、やろか」
 そういって持ってきた袋からなんだかよくわからない黒い物体を取り出す。
「え……それって、なに?」
「これがヘビ玉や。なんや炭みたいやろ」
 恐る恐る手のひらに乗っている小さな黒い物体を見ていた私に笑いながら答えた俊くんは、それを河原に並べる。
 その数全部で十個。
「おにいちゃん、こんなもんやったっけ? もうちょっとあったような気がすんねんけど」
「ほんまやな。思ったより少なかったわ。これやったらすぐ終わりそやな」
 華絵ちゃんと俊くんはそういいながら十個のヘビ玉を河原に並べて、私と弟を手招きする。
「二人ともよぅ見ときや。行くで」
 そういいながら俊くんは華絵ちゃんから受け取ったマッチで河原の上にある十個の黒い塊に火を近づける。
 すると、最初は白い煙を出してくすぶっていたヘビ玉が、火が点いた瞬間ににょきにょきにょきっと黒い細長いものを生み出し始めた。
「う……わ」
「……っ」
 その様子に私と弟は互いの手を握り締めながら思わず後ずさる。
 わくわくした様子で見ていたいとこ達も、なにこれ、きもっといいながらヘビ玉から距離を置く。
 子供四人が離れた後も、黒い塊は白い煙を吐き出しながらにょきにょきっと細長く成長を続ける。
 その様子は、ヘビというよりも禍々しい何か邪悪な生物のように見えた。
「……なんやこれ、気持ち悪いなぁ」
「ほんまやわ。おにいちゃんなにつかまされてるん」
「確かになぁ……って、俺のせいかよ!」
「そうやろ。ほんまおにいちゃんは調子ええんやからな。どうせクラスの子におもろい花火あるって渡されたんちゃうん? 絶対それいらんやつ押し付けられたんやで」
「……華絵、よーわかってるな。見てたんか?」
「なんでなん。ってか、これ、どうする?」
 いとこ達が口論している間に成長を止めて煙も出なくなった黒い残骸を前に、華絵ちゃんが首をかしげる。
「このまま置いといたら、やばいかなぁ」
「結構目立つよね。黒いし」
 華絵ちゃんの言葉に私も小さくうなずく。
 河原の白い石の上に、まるでのたうち回って苦しんだような黒い物体。
 遠目にも目立つそれをそのまま放置するのは少し気が引けた。
 ただ。
「でも、拾うにしてもちょっと難しないか?」
 足でつつきながら俊くんがそうつぶやく。
 確かにヘビ玉の燃えカスはもろくて、足でつつくとすぐに崩れて黒い灰になる。とてもではないが拾って持って帰ることは難しそうだった。
「ほんまやなぁ。どうしよ」
「うーん……」
 華絵ちゃんと私が悩んでいると、俊くんが靴底でヘビ玉の燃えカスを踏みはじめた。
「おにいちゃん、なにしてるん」
「こうしたらばれへんやろ」
 そういって俊くんは河原の石に足で燃えカスをこすりつけていく。
「確かにそうやけど……」
「大丈夫やって。この河原人がおるとこ見たことないし」
 そういいながら青いスニーカーでガンガンと燃えカスのついた小石を蹴りつける。
「お姉ちゃん、もう帰ろうよ」
 その様子を見ていた華絵ちゃんと私は、弟のその声にお互いの顔を見合わせる。
「そやね。帰ろ」
「うん。お母さんたちが探してるかもしれないしね」
 華絵ちゃんとうなずき合った私は、先を急ぐ弟と一緒に神社の境内に足を向けた。
 後ろでは、華絵ちゃんが俊くんに「おにいちゃんもいくよー」と呼びかけていた。
 ただ、それに応える俊くんの声は、なぜかその時の私の耳には入ってこなかった。




 その日の夜。
 夕食は祖父の家では定番のお好み焼きだった。
 大きな鉄板に何枚もお好み焼きを焼いて、空いたスペースで焼きそばを焼く。しかもなぜかごはんと味噌汁まで出てくる不思議なメニューに未だに慣れない私は、次々と出来上がるお好み焼きを適当に食べてから食後に出されたスイカを持って縁側に腰掛けていた。
 祖父の家では子供たちの夕食は午後七時を目安に終わる。子供たちの夕食を終わらせてから大人たちは夕食のメニューをおかずにビールや日本酒などを楽しむのだ。
 そして、お酒を楽しむ大人たちの宴会を背に、子供たちは縁側でスイカやブドウなど食後のデザートを食べるのが慣例となっていた。
 この日も、夕食後私たちは縁側に並んでよく冷えたスイカを齧っていた。
「ここで食べるスイカって、どうしてこんなにおいしいんだろ」
 一口齧るとひんやりとほのかな甘みが口の中に広がる。
 縁側に吊るされた風鈴の音を耳にしながら、私は小さく独り言ちる。
「いいスイカなんじゃない? お盆だし」
 私のその言葉を拾い上げ、隣で同じようにスイカを頬張っていた弟がかわいげのない事を言う。
「そんなことないやろ」
 弟のその言葉に、弟の向こうでスイカを手にしていた俊くんが笑いながら答える。
「みんなで食べるからちゃうか。ここは涼しいしなぁ」
「そういえば、都会は夜でも冷房ないとしんどいって聞いたわ。たいへんやなぁ」
 俊くんの向こうから顔をのぞかせて華絵ちゃんも笑う。
 確かに私たちが住む地域では夜でも室温が三十五度を下回らない日もあったから、基本的に朝までエアコンは欠かせなかった。
 それに比べて祖父の家があるこの地域は夕方になると少しずつ気温が下がり、この時間になると心地よい風が吹いてくるので縁側のある部屋のエアコンはすでに機能を停止している。
 大人たちが宴会をしている奥の部屋はかろうじて稼働しているが、おそらく寝るころにはすべてのエアコンが電源オフとなるのだろう。
「確かにそうかも。ほんと、ここって涼しいよね。家に帰るのが嫌になるぐらい」
 私がそう言って笑うと、俊くんが「ほんならここに住んだらええねん」と笑いながら言う。
「でも俺は都会に行きたいけどなー」
「そやなぁ。ここってほんまに不便やもん。夏は涼しいかもしれへんけど冬はめっちゃ寒いし」
「服も靴も、買いもんはぜーんぶマルキュウやし」
「ほんまやわ。お洒落なお店とか行ってみたいわ」
 そういっていとこ達は二人でため息をつく。
 二人の話す「マルキュウ」という名前に私も思わずうなずく。
 確かにあのスーパーでしか買い物ができないのはちょっと嫌だ。
「うわっ!」
 私たちがそんな話をしていた時、私と俊くんの間に座っていた弟が、突然大きな声を上げて縁側から立ち上がる。
「どうかした?」
「足に何かがくっついた……」
 縁側の下に伸ばしていた足を触りながら部屋の中に入った弟はこわごわと外を見る。
 すっかり日が落ちて暗くなった庭先には、庭木のほかには何も見当たらない。
「気のせいなんじゃない? 何も見当たらないよ」
「クモかなんかかもなぁ。ここ古い家やから」
「そやなぁ。昼間も結構大きいクモが玄関におったし」
「え?!」
 いとこ達のその言葉に私も思わず足を上げる。 
 さすが田舎育ち、と妙なところで感心しながら食べ終わったスイカの皮を流しに捨てに行こうと部屋の中に入ったその時ーー。
「うわぁあッ! がぁッ!」
 先ほどまでのんびりとクモの話をしていた俊くんが、突然右足を押えて縁側から飛び降りた。
「おにいちゃん!」
 右足を押えながら獣のように喚くその様子に、隣にいた華絵ちゃんも声をかけながらも近づくことができない。
 部屋の中から様子を見ていた私と弟も、地面に這いつくばってひたすら右足をかばいながら叫び声を上げ続ける従兄に、ただただ呆然とするだけだった。
「なんやこれ! いたッ! うわあああッ!!」
 私よりとても大人で何事にも余裕を持っているいつもの俊くんからは想像もできないその様子に、私はたとえようもない恐怖を感じ隣にいた弟の手をぎゅっと握ってひたすらその場に立ち尽くしていた。
「なんや、どないしたんや?」
 俊くんの声が大人たちの宴会の席にも届いたのか、奥の部屋から叔父さんが怪訝そうな顔で声をかけてきた。
 そして、地面でのたうち回って激しく苦しむ俊くん様子に叔父さんの表情が一転する。
「華絵! 母さん呼んで来いっ! あと……とりあえずタオルと氷!」
 俊くんの元に駆け寄り、暴れる俊くんを押えこみながら叔父さんはそう怒鳴った。
 叔父さんのその言葉に、おそらく私と同じように恐怖で動けなかった華絵ちゃんが慌てて奥の部屋にいる叔母さんを呼ぶために駆け出した。



 実は、私の記憶はなぜかここで途切れている。
 そのあともあの場にきちんといたはずなのに、思い出せる記憶はひどくあいまいだ。
 確か、俊くんの足は蜂か何かに刺されたとのことで叔父さんの応急処置で事なきを得たはずだ。
 実際、その年の年末年始には華絵ちゃんと一緒にあの場所に顔を出していたし、私たちとも普通に遊んでいたように記憶している。
 ただ、翌年のお盆も、その次のお盆にも、俊くんも華絵ちゃんも私たちが滞在中に祖父の家に顔を出すことはなかった。
 祖父の家で遊んだ夏の思い出は、あれが最後となったのだ。
 こんぴらさんの裏の河原で遊んだ花火。燃えカスを河原の小石に足で擦り付ける青いスニーカー。
 縁側で並んで食べたスイカ。地面でのたうち回る俊くんの苦悶の顔……。
 そして——

 半ズボンの先から出ていた俊くんの右足首に巻き付いていた、黒いひも状の「何か」。

 痛いと叫びながらその何かを必死で引き剥がそうと俊くんはもがいていたのだ。
 普段と違ういとこの様子に呆然としていたのも事実だが、私にはそのいとこの足に絡みついた「何か」がとても不気味で恐ろしい、この世のものではない禍々しさを放つ生物に見えた結果動くことができなかったのだ。
 結局俊くんは蜂か何か「虫」に刺されたとのことだったので、痛みの原因はあの「何か」ではなかったのかもしれない。
 だとしたら、あれはいったい何だったのか。
 そして、あれはそのあと無事に俊くんから離れたのだろうか。




 自宅の最寄り駅で電車を降りると、遠くのほうで鳴り響く花火の音が耳に入る。
 その音に背中を押されるように、私はゆっくりと改札へ向かって足を進める。
 あの夏の日から、私は花火を楽しむことができなくなった。
 なぜか、手持ち花火を持つと激しいめまいを起こし倒れてしまうのだ。
 最初は花火が原因だとは気づかずにいたのだが、回数を重ねるごとに花火を見ると体調が悪くなることに気付いた。
 手持ち花火に対して打ち上げ花火は倒れるほどひどくはないが、それでも見ているととてつもなく気分が塞ぐ。
 花火を綺麗だと思う心はあるのだが、体がそれを拒否してしまうのだ。
 悩んだ時期もあった。友達と、恋人と花火ができないというのは何気に不自由なものだし、病院に行くことも少しだけ考えたりもした。
 しかし、花火そのものが年に一度か二度のイベントだし、それ以外には特に問題はないので結局この体質は放置したまま現在に至っている。
 彼らは、あの後も花火を楽しむことができているのだろうか。
 飄々とした態度でこちらを見る俊くんと、柔らかい笑顔で私の手を引く華絵ちゃんの姿を思い出す。
 年々疎遠になっていったいとこ達とは、今では年賀状のやり取りすらない。



 
 縁側に響く、風鈴の音。
 口の中いっぱいに広がる、ひんやりとほのかに甘いスイカの味。
 懐かしい柔らかなイントネーションを思い出しながら、私は改札口を出て空を見上げる。
 どーんどーんっと響き渡る花火の音を耳に見上げた夜空には、鮮やかに咲き誇る大輪の花は一つも見当たらず、ただ、三日月だけが静かに私を見下ろしていた。

 


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  ※コメント本文ネタバレ可。
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Comments for this article...

「蛇玉」拝読しました。

感想一番乗りでしょうか。いつもお世話になっております、森崎です。

「蛇玉」拝読しました。
ツイッタ―でホラーである旨を伺っていたのでちょっと身構えていたのですが、実際ちょっとぞくっとしました(笑)
ただ嫌な感じの怖さじゃなくて、因果応報的な怖さなので、ぞくっとしつつも「まあそうなるよね…」という印象も持ちました。ことこういう状況下においては大人の言うことは聞いといた方がいいですよね。

特に怖いなーと思ったのが
>年々疎遠になっていったいとこ達とは、今では年賀状のやり取りすらない。
この一文ですね。
ホラー小説においてはどうなったか具体的に書かれているよりも、わからない方が余計に怖いなと思いました。秀逸な一文ですね!

へび花火(私の地元ではこう呼びました)は花火の中でもどちらかというと動きがユニークで、他の花火のような儚さを連想することはなかなかないと思うのですが、こうして見ると蛇らしい怖さもありますね。
ラストの余韻とあわせて、ぞくっとしつつもぐっとくるお話でした。すごく面白かったです。

拝読しました。

え、ここで終わり? ちょ、俊君どうなったの~? 無事なんだよねぇ?
と、突っ込まずにいられないお話。恐怖とどきどきと残しつつ終わってしまった物語。
あのあと主人公たちに何が起こったのかがすごく気になります。すごく後を引きますね。
お盆に親戚が集まってわいわいする姿が自分の子供の頃と重なってとても懐かしかったです。

拝読いたしました

 真冬さん、こんにちは。
 作品拝読させていただきました。

 ヘビ玉の燃えカスが、「まるでのたうち回って苦しんだような黒い物体」というのがい言えて妙といいますか、おもしろいなぁと思いました。しかし、その後に起こることを暗示しているのかも、と考えると怖いですね。
 関西では「お好み焼きはおかずや!」と言わんばかりの夕食に、うちの家でも時々巻き起こる「お好み焼きとご飯は一緒に食べられるか」という議論を思い出して、笑いがこみあげました。

 食事のシーンまでは、どこにでもあるようなのんびりとした田舎の夏休み、といったところでしたが、がらりと雰囲気がかわってドキドキしました。
 言ってしまえば因果応報なのですが、俊くんの身に起こったことはとても怖いですね。
 やはり、近づいてはならないと言われているところに行ってはならないものです。
 黒い「何か」が何だったのか、その後、俊くんたちがどうなったのか判らないというのが、怖さをより引き立てているなと思います。
 年賀状のやりとりすらなくなってしまったいとこたちが、今でも普通に生活していることを願います。

拝読いたしました

真冬さん、こんにちは。

蛇玉の表現が実に良かったです。いとこの「キモっ」というリアクションと主人公の心象、その後に出てくる「黒い何か」とイメージが共通していく感じがお見事です。
土地もののお話としては「◯◯してはいけない」というのが定説ですので、あ、何か起きるんだなぁと思いながら読んでいましたが、予想以上でした。俊君、元気にしているといいなぁ(え

読ませていただきました

紅月赤哉です。作品、楽しく読ませていただきました。

花火をしなくなり、花火大会にも時間的に行けなくなってどれくらいたったか(遠い目)
蛇花火は珍しかったのですけど子供心にうねうねした動きが気持ち悪くて次以降はあんまりしなかった記憶が。

田舎の夏の風景と怪談めいたこと。
最後には死んだかもわからないままやり取りがなくなった点が奇妙で、喉に骨が引っかかる感じの余韻に繋がっていて読み終えた後には主人公も、同じようにもやんとした気持ちになったんじゃないかなと思います。

拝読致しました!

 花火を題材にした作品は数多いですが、ヘビ花火にスポットが当たるのは新鮮……! 火が付いている間は勿論のこと、黒い残骸になってからすらも花火の不気味な存在感が抜群で、「これから何か起こるぞ、起こるぞ」と、読者にとっては良い意味で不安を掻き立てられますね。

 はっきりと目に見える恐ろしいものが登場するわけでも、(たぶん)誰が亡くなったわけでもないのに、年を経るにつれて少しずつ大きくなっていく主人公たちへの影響は、まるでじわじわと全身を回るヘビの毒のようで、読み終えてから一層怖さが増してくるお話でした。

拝読しました

真冬さん、こんばんは。お久しぶりです。
作品読ませて頂きました。

『蛇玉』、あ、これはタイトルから何か来るなーという感じの、本当にあった怖い話系の作品でした。
お盆の時期は、海や川で遊んじゃいけませんよね。
そこで死んだ人に、足引っ張られるよ――と言われて育った私は、怖くてこの時期、海や川には入れません。
結末不明、という部分も含めて、ものすごくリアリティを感じました。
特に弟のキャラが(笑)あー、いる、こういう冷めた子。だけど仲間外れになる度胸はないんだよね、という。
あと、河原は川じゃない! という小学生な理屈、それにさりげなく入れられたノリツッコミ(笑)もあるあるでした。
蛇玉だけでなく、花火全般がトラウマになってしまうのですから、失われた記憶の中で、「私」はよほど怖い思いをしたのかな? と、不気味さが後を引きます。
年賀状付き合いもなくなってしまったいとこたちと、いつか思い出話ができる日がきますように願ってやみません。

拝読しました。

蛇玉のあの気持ち悪さと、得体の知れない「何か」の気持ち悪さが、上手く重ねあわされて、後口の悪い感覚が残ります(ホラーとしては褒め言葉) 何が起こったのか、読者に全部は見せない話の運びも効果的な感じです。上質のホラータイムを過ごさせていただきました。

拝読いたしました

 蛇玉――実際に在って、皆さまもよく御存じのはなびなのですね!
 実は、そんな花火が在る事を、全く知らなかった、無知な猫です。
 見た事も、聞いた事もありませんでしたので、ネットで検索して回ったのですが……。
 画像も沢山有りましたが、今一歩、イメージが湧きませんでした。
 もう訳ございません<(_ _)>

 ですが、「年々疎遠になっていったいとこ達とは、今では年賀状のやり取りすらない。」の後の、改行後の四文の、特に最後の一文に、ぞくっと致しました。



 

読ませていただきました。

これはなんとも……夏にふさわしい、背筋がちょっと涼しくなる余韻。
堪能させていただきました。

最初と最後で挟み込むように出てくる「現在」がまた、物語を膜のようにつつみこんで、
怖さを際立たせているような感じですね。
淡々とした語り口調と、子どもたちの生き生きとした様子のギャップがまた、新鮮な雰囲気でした。

拝読いたしました。

金毘羅さんは全国にあって、四国の有名な金毘羅宮はその後総本山(?)のようですね。祭神が大物主で別名三輪明神だとか。なんと蛇神で強力な祟り神だそうで、そこまで知ってようやくこの子達のした意味がわかった次第でした。しかしそんな信仰がありながら、ただ行くなとだけしか言わない大人の態度は不可解です。案外主人公の思い込みがトラウマを引き起こしたとも思え、怖さももやもやとしたものになりました。
どちらかというと、従兄弟たちと顔を合わせることもなった陰に大人の事情が見え隠れして、そちらの確執が気になったことです。

拝読いたしました

 「蛇玉」拝読致しました。

 関西の人間なので、方言がとても馴染み深く懐かしい気持ちになりました。
 川へ行くことを警告する弟の言葉に何となく嫌な予感はしたものの、水難とかそういったことを予想していましたら、花火が何だか異様なことに……。
 結局俊君は無事だったのか、脚に絡みついていた「蛇」のようなものは何だったのか、蛇玉との関連性は、そのあたりがすごく気になりました。それこそ蛇玉から出ていた黒い煙のようにもやもやします……

 あとラストの「音は聞こえたのに花火は見えなかった」というシチュエーションが何とも印象的でした。いとこさんたちの安否同様、目隠しされたままのような気分です。

 とても読みやすく面白かったです。ありがとうございました!

拝読いたしました!

真冬様

初めまして!
「蛇玉」拝読いたしました!

最初はほのぼのとしたお話かなあと思いきや、いきなりホラーになっていったので「おっ!」となって、そしてゾッとしました。
あれは何なのか、大人達は知っていたとなると恐いですね…
主人公も、何となくこれ以上触れたくないと思っている感があって、さらに怖くなりました。

ありがとうございました!(その1)

こんばんは。
すべての作品の感想を書いてからお返事を……と思っていたのですが、かなり時間がかかってしまいそうなので先に頂いた感想のお返事を失礼します。
(とりあえず第一弾)

>森崎さん
こちらこそいつもお世話になっております!
感想一番乗り、ありがとうございましたっ。

そうなんですよねー。ホラーというよりは「自分が悪いじゃん」っていう感じで、なんというか「だよねー」っていう結果なんですよね。
自分でも読み直して「あれ、これホラーじゃなくね?」とかちょっと思ってました(笑)

うわぁっ。あの一文、ほめていただけてうれしいですっ。
全然意識してなかったんですが、確かに理由を書かないことによりちょっと怖い感じに仕上がってますねー。無意識ってすごい。
そうなんですよね。ヘビ玉(ヘビ花火)ってほかの花火とはちょっと違って小学生男子とかが面白がってやるタイプの花火かなーと思ったんですが、でもよく見るとかなり気持ち悪いよなぁと思って題材にしてみました。
面白いといっていただけて、すごくうれしかったですっ。ありがとうございました!


>和さん

ですよねー(笑)めっちゃ尻切れトンボな終わり方でなんだかすみません(笑)
あの後、ほんとあの子供たちはどうなったのか、そして大人になった彼らはどうなったのか。
何となく何も語らないほうがいいかなーというノリで締めたんですが、結果それが「後を引く」と言っていただけたみたいで嬉しいですっ。
あ、懐かしく思っていただけてうれしいです! 書いている私自身も懐かしいなーって思いながら書いてました。大人になるとなかなかああいう場所ってないよなぁ……とちょっと切なくなったり。

感想、ありがとうございましたっ!


>御剣ひかるさん

うわぉ。ヘビ玉の表現に目を付けていただいて嬉しいですーっ!
結構そこ、何度も推敲してる場所やったりします。ホラーっぽくしようと(笑)
あははっ。せっかく関西が舞台なので夕食はお好み焼きにしました。最初は別のメニューで書いていたんですが「やっぱりここはベタなん入れたほうがいいかなー」とかヨコシマな考えで。
ちなみに私は関西人のくせにお好み焼きをおかずにご飯は食べない人です。粉モンにはビールでしょう←

そうなんですよね。因果応報なんですよ。でも子供にはちょっと怖すぎるお仕置きですよね。
ほんと、大人になった彼らが今も普通に生活しているといいんですが。どうなんでしょうねぇ(って言葉を濁す)

細やかなところまで読んでくださりありがとうございましたっ。


>げこさん

うひゃーっ!! お見事とか言っていただけてめっちゃ嬉しいです。ドキドキ。
蛇玉の表現は割と何度も見直して推敲を重ねていたので、そう言っていただけるともうめっちゃ嬉しいですーっ!

あ。確かに。土地モノのお話ならではって感じですよね。言われて気づきました。なるほどー。
ほんと、関西弁いとこーずが大人になってどうなってるのかが気になるところです。元気かなぁ←オイ。

感想、ありがとうございましたーっ!!

>紅月赤哉さん

ああ! わかりますわかります!
私も蛇玉を題材に書こうと思いながら、そう言えば最後にリアル蛇玉見たのいつだっけ? と考えてちょっと怖くなりました(笑)大人になると花火ってほんと縁遠くなりますよね。
私は蛇玉の動きって幼少期に自分でやっていたころは特に何も感じなかったんですが、このお話を書くにあたりネットで画像検索したら、もう気持ち悪くて気持ち悪くて(笑)思わずキャラに「きもっ」と言わせるぐらいの気持ち悪さでした。

喉に骨が引っ掛かる感じ……なんて素敵なほめ言葉! ありがとうございましたーっ!!


>秋待諷月さん

おおお! 題材を褒められるとは思っても見なかったので、感想コメントを拝見して思わずニヤリと笑ってしまいました。
でも、確かに地味な花火ですもんねぇ。今思い返すとなぜ蛇玉を選んだのか……。いや、ホラーを書こうと思ったから当然の選択なんですが。

おお。確かにそうですね。なんかこう「お風呂場で髪を洗っているときに後ろに何かがいるかもしれない」的な恐怖を描きたかったので(何それ)秋待さんの感想、すごく的を射ていて嬉しかったです。そうそう。そう言う恐怖が書きたかったんだよなーって。

感想、ありがとうございましたっ!

ありがとうございました!(その2)

続いて、お返事第二弾です。

>桐央さん
こちらこそご無沙汰していますっ!
久しぶりに参加した企画でご一緒で来て嬉しいですっ。

あ、そうですそうです。それです。「死んだ人に足を引っ張られる」ってやつ。お盆は死者が水辺に還ってくるといわれているからなんですね。実は私個人的にはこの言い伝え知らなくてネットで調べたんですが。
この話を子供のころに言い聞かせられたらものすごく怖いだろうなぁって思います。
リアリティといっていただけてうれしいです。弟キャラ! 確かにいますよねー。あ、ちなみにうちの弟がモデルです(笑)すぐにひねくれたこというんですよねー。盛り上がってるときに。興ざめやわって子供のころ思っていました(笑)
そうそう。河原は川とちゃうでーってのも小学校のときのクラスの男子なら言いそうだなーって思って。ノリツッコミに気付いていただけてうれしいです。
ほんと、大人になった彼らとまた会える日が来るといいんですけどねぇ。って、きっと次に会うのは誰かの葬式になるんですよね。いとこってそういう関係なのかなーって思ったりしてます。

細かなところまで読んでくださり、ありがとうございましたっ。


>麻生さん
うわぁっ。麻生さんにホラーを褒められた! 嬉しいですーっ。
後味悪いもやもや感がでたらいいなっとほんのり思っていたので、そういっていただけるのってほんとほめ言葉です!

ツボを得た感想、ありがとうございますーっ。


>猫さん
うひゃぁ。意外とマイナーな花火だったんですねーっ。いやいや、こちらこそちょっと変わった路線の花火を題材にして申し訳ないです!
私の育った地域では割とメジャーなものだったので、全国的にあるものやとばっかり思ってました。もうちょっと作中で説明文を入れるべきでしたね。反省。

あ、締めの文章に目を付けていただきありがとうございますっ!
ちょこちょこっと書き直した場所だったので、ぞくっとさせれたのかな?と思うとシメシメです(笑)

イマイチわかりづらい花火を軸に置いたお話だったのに、読んで感想まで書いていただいて、ありがとうございましたっ!


>sagittaさん
あ、まずはお礼を失礼します。
このたびは楽しい企画、本当にありがとうございました!
すっかり執筆活動から遠ざかっていた私にとっては復帰するためのすごくいい場所になりました。
この場を借りてお礼申し上げます。

でもって。感想もありがとうございました!
おお! 回想シーンの使い方に気付いてくださりありがとうございますっ。
過去を振り返る系のお話好きなので、久しぶりの小説だしってことで書きたいように書かせていただきました(笑)
語り口調とその時の子供たちとの差に気付いていただけたのがすごくうれしいです!
ご丁寧な感想、本当にありがとうございましたっ!


>ヒラKさん
おおおおお。そ、そうなんですねー!(知らんかったのかい)
いやはや、とっても無知で申し訳ないです。実はそこまで深く調べてナカッタデス(コラ)
この物語の舞台となった神社、私の祖父母宅の近くにある神社をそのまんま使ったんですが(祖父母宅の近くの神社が「こんぴらさん」と呼ばれてました)まさか四国のあの金毘羅宮の分家的なものだったのは……。蛇神でしかも祟り神というのも初耳でした。いやぁ、もし今度行く機会があればちょっと現場検証してみます。あ、もう祖父も亡くなっているのでなかなか行く機会もないんですが。
というか、そう言うことを考えるとほんとになんという罰当たりなことをしているんでしょう。作中の彼らは。なんて罰当たりなことをさせてしまったんだ、私ってば!

大人の事情……ありそうですよね。
子供の時ってみんなで仲良く何も考えずに遊んでいたけど、大人になるとそこにはいろんなものが渦巻いていたんだなぁって思うこと多いですし。もしかしたら彼らの親たちにも何かの亀裂があったのかもしれないですよね……。兄弟姉妹だからこその争い事ってありますし。

すごくきちんとした知識に基づいた感想、ありがとうございました!


>彪峰イツカさん

彪峰さんは関西の方なんですねーっ。同じ関西の方に違和感なく読んでいただけたとのことで、ほっと胸をなでおろしました。よかった。
あ、確かに水難という方向性でもアリでしたねー。というか弟の忠告を聞くとそっちのほうがより怖そう……! 
もやもやしていただけてシメシメだったりします(笑)余りそこまで計算してぼかしたつもりはなかったので、そう言っていただくと「よっしゃー!」って感じで。
締めの文章を取り上げてくださりありがとうございます! あの最後だけは何度か書き直してできたものだったので、そう言っていただくとすごくうれしいですっ!

読みやすいというお言葉、本当にうれしかったです! ありがとうございましたっ。


>葉月14さん
こちらこそ初めましてっ。感想ありがとうございます!

ほのぼのからのホラー……確かに油断してたらって感じですよねぇ(苦笑)
私の作風が基本的に「ほのぼの」みたいなので、ホラーを書いてもちょいとほのぼのが残ってるのかもです。
あ、でももやもや気持ち悪いとのお言葉をたくさんいただいたので、読後感は全然ほのぼのとは違うのかもですが。
そうですねー。主人公もあえてそこを深く掘り下げたりはしてないみたいですね。無意識のトラウマ的なものなんでしょうか。よく考えたら花火が見れない体質になった時点であの事件をもっと深く調べればいいのにって思いますもんね。あ。今気づきました。ほんまや!(オイ)

新しい気づき、ありがとうございましたっ! 




皆々様、お忙しい中での感想、本当にありがとうございました!
久しぶりにたくさんの方に感想をいただくことができて、本当に嬉しかったです。
とても楽しい「夏祭り」でした!

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